9/12放送 『星ナビ★第24回』

指月殿

FM77.7MHz「VOICE CUE エフエムみしま・かんなみ」の「星ナビ★~あの街、この町、ここ最高!!」の9月12日の放送は、お月見シーズンということで、「月」に関するお話をしました。

番組冒頭では、『水急にして 月を流さず』という、周りの環境に流されることなく、自分を見失わず、信念を持って生きよう・・・という禅語をご紹介しました。個人的に好きな言葉で、何事にも動じない月の姿に憧れるわけですが、歳を重ねるにつれ、なかなか今まで理解できなかった禅語も、ひとつひとつ身に染みてくるようになってきました。

そんな禅の世界に通じる伊豆最古の建築物が、修善寺にある「指月殿」です。
北条政子が実子である源頼家を弔うべく寄進したお堂で、正面に掲げられた扁額は、現在はレプリカとなっていますが、一山一寧の書となっています。

この「指月」と言う言葉は、文字や言葉ではお釈迦様の教えは伝わらない、自ら座禅により悟るものだ・・・という、禅の世界を語る上で必ず登場する不立文字となっています。指が経典、月がお釈迦様の例えになっているとされ、経典はお釈迦様の教えの方向性は示すが、教えそのものでは無い・・・と言う意味だとされています。
こうして説明している時点で、すでに禅の世界を何も理解していない・・・と一喝されそうですが、そういうことのようです。
奥が深いですよね・・・

そして次にご紹介したのが、静岡市の「駿府匠宿」のそばにある「吐月峰柴屋寺」です。
臨済宗妙心寺派のこのお寺は、連歌師で有名な宗祇の弟子となる宗長が庵を結んだ所で、後に今川氏により寺院となりました。

宗長は、「急がば回れ」の語源となっている歌

もののふの やばせの舟は 速くとも 急がば回れ 瀬田の唐橋

を詠んだ人物で、京都へ行くのに、天候による欠航や比叡おろしによる難破などの危険がある琵琶湖の航路よりも、瀬田の唐橋を渡って行く陸路の方が、日程の乱れがなく確実だよ!という、「急がば回れ」の説明そのものといった感じの歌を詠んでいます。

また境内は、丸子富士や天柱山を借景とした銀閣寺の庭園を模した趣のある庭の造りで、その一角には、宗祇・宗長のお墓とともに、宗長が月見をしたという月見石も残されています。
そして寺の東側から覆い被さるように伸びる竹林の上からパッ!と月が出ることから、竹林から月が吐かれる → 吐月峰 となったようです。
かすかな記憶ながら、受験勉強の時に月を吐くという表現は学んでいたので、住職から説明を聞いた時に、ここで出逢うとは・・・という想いがありました。

前にもお話ししましたが、旅先で知識が結びついていくことは、旅をしている上での楽しみのひとつでもあり、またこうしてここで得た知識が、どこかで役に立ち結ばれていくわけですね。

番組最後にお届けした曲は、河合奈保子さんの「十六夜物語」でした。