温泉入門「泉温による分類」

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♨ 泉温による分類

泉温による分類 温泉入門 泉温による分類

現在の温泉法では、「泉温」により4つの分類が行われている。

すでに説明したように、泉源で摂氏25℃以上あれば「温泉」となりうるわけで、実際には体温よりも遥かに冷たい温泉も存在する。泉温による分類では、34℃以上~42℃未満のものを狭義の意味での「温泉」としており、42℃以上の「高温泉」と、25℃以上34℃未満の「低温泉」を含めたものを、広義の意味での「温泉」と定義している。

また、25℃未満のものを「冷鉱泉」として大きく分けて分類しており、これは前述の通り25℃未満でも特定の物質が規定量以上含まれているものである。30℃にも満たない体温よりも冷たい温泉を、一般的に「温泉」と呼ぶかどうかは意見が分かれるところだが、分類上は25℃がひとつの境となっている。

療養泉における泉温の分類も、同じくこの25℃を境に、「冷鉱泉」と「温泉」に分けられている。

泉温による分類
1 冷鉱泉 ~ 25℃未満
2 温泉 低温泉 25℃以上 ~ 34℃未満
3 温泉 34℃以上 ~ 42℃未満
4 高温泉 42℃以上 ~

では一番良い源泉の温度は?となると、これが難しい。人間の体温より低ければ、他の高温泉とブレンドできる場合を除き、加温しない限り通常は喜ばれない。ぬる湯や冷鉱泉もあるが、宿に泊まりそれしか無ければ、やはり客足は遠のく。その結果、当然ながら湯舟の湯の泉質は、泉源付近よりも劣ることとなる。

逆によく100℃近い高温の源泉が湧く温泉宿でそれをPRしているところがあるが、泉温は高ければ良いということでもない。冷静に考えればわかることだが、体温よりも高すぎると、当然ながら加水するか外気に触れさせ自然に冷めるのを待つか、なんらかの方法で湯の温度を下げる必要性が生じる。

すべての成分が影響を受けるとは言えないが、一般的に外気に触れれば触れるほど、時間が経てば経つほど、酸化したりして温泉の鮮度はどんどん落ちていく。また加水しても成分は薄まるわけで、いずれにしても効能は泉源付近よりも落ちる。

では体温よりも少し熱いくらいの泉温が良いのか…となると、湯舟ではそれが最適でも泉源の温度となると、これまたそう簡単にはいかないのである。泉源から湯舟までの距離や季節による外気温の変化、暑さ寒さによる人間の体感温度の違いなど、快適な入浴を楽しむためには様々な要素が絡み合っている。またその日の入浴者数や時間帯によっても微妙に異なってくる。

これが温泉の難しいところであり、やっかいなところでもあり、温泉分析書などの源泉のデータ数値の比較には現れない温泉の奥深さ・難しさなのである。

それゆえ自分で水道水で調節してくださいという宿も出てくるわけで、浴槽の下から一年を通して適温の湯がどんどん湧いているところを除けば、源泉の泉温を鑑みて、様々な条件下で最高の湯でもてなそうとしてくれる専属の 湯守 が必要となるのである。

尚、プロが選ぶ温泉宿『名湯・秘湯★百湯』のグラフにおける長方形のバーは、主たる泉質の泉温域を示しており、▲は一部の泉質や一部の宿などで見られる泉温域を示している。



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