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ここにも不名誉な岬がひとつ・・・
伊豆半島の南端に位置し、相模灘から駿河湾への入口となっているのが、南伊豆町にある 『石廊崎』(いろうざき)です。
年間の三分の一は、風速10mを超す日々となるこの「石廊崎」は、戦前から測候所が置かれていた場所であり、古くから気象観測の要所とされてきました。
2003年に、無人化された「石廊崎」ですが、測候所が置かれる前から、この地では気象観測が行われており、その歴史は、明治時代の1894年6月30日に設置された、旧海軍の望楼にまで遡ります。
多くの方がこの岬の名前を知っている背景には、この「石廊崎」が、「御前崎」や「潮岬」などとともに、台風の位置情報や潮位などの気象情報に使われることが多いことからであり、「石廊崎」と気象観測とは切っても切れない関係にあります。
しかしながら、潮岬の記事を書いた際にも触れましたが、この「石廊崎」もやはり台風のイメージが付きまとう岬であり、ここもある意味とても不名誉な岬のひとつとなっています。
今は無き、ジャングルパーク!
「石廊崎」へは、国道136号線のさらに南側を走る、県道 「下田石廊松崎線」を折れた、石廊崎漁港からアクセスするのが一般的です。
この県道沿いには、「弓ヶ浜」や「アロエセンター」などの観光地があり、南国ムードいっぱいの道となっています。
「石廊崎」の漁港に車をとめ、灯台に向かって坂を上って行くと、やがて廃墟と化した施設の跡が見えてきます。
かつてここには、「ジャングルパーク」という観光施設があったのですが、残念ながら、来場者数の減少と施設の老朽化などの問題から、2003年9月に閉園となってしまいました。
くしくも、測候所が無人化されたのと同じ年となっていますが、1969年にオープンして以来30余年の間、12000uの巨大な温室を中心に、たくさんの動物や植物が生息していました。
「タイハクオウム」や「リスザル」などとの触れ合いは、子供たちにも人気でしたが、やはり立地条件からくるアクセスの悪さと、競合施設の増加や、時代が求める趣向の変化などにより、打ち寄せる波には勝てず閉園となってしまいました。
北海道の「旭山動物園」や、江ノ島や品川の水族館のように、時代の波にのみこまれることなく生きていくには、常に新しい試みが必要であり、既存の動物園や水族館、植物園などの生存競争は、激しさを増すばかりに思えます。
石廊崎のシンボル!
そんなジャングルパークの跡を抜け進んでいくと、やがて現れてくるのが、「石廊崎」のシンボルともなっている「石廊崎灯台」です。
海上保安庁の募集により、1998年に選定された、「あなたが選ぶ日本の灯台50選」にも選ばれている、この「石廊崎灯台」は、日本の多くの灯台がそうであるように、「日本の灯台の父」と言われ、26歳で来日してからの8年間で、30余りの施設を造っていった、「リチャード・ヘンリー・ブラントン」が手がけたものとなっています。
東経 138度50分43秒、北緯 34度36分10秒に位置し、1871年8月21日に点灯を開始したこの「石廊崎灯台」は、当初は、木造で洋式の八角形の灯台で、赤光を放っていました。
現在の灯台は、1933年に建替えられたもので、白一色のコンクリート造の灯台となっており、塔頂までの高さが11.38mで、海面からは約60mの灯台となっています。
白光 61000カンデラ、赤光 66000カンデラのこの「石廊崎灯台」は、沖合い約38kmまで閃光を放ち、岩礁が多く、座礁する船が多かった航海の難所でもあるこの「石廊崎」一帯の、航行の安全を支えています。
通常は一般公開されていないこの「石廊崎灯台」ですが、7月と11月の年に2日だけ、灯台内部を公開していますので、興味のある方は問い合わせてみてください。
こんなところに2つも神社が・・・
そんな灯台の脇を抜け、潮の香りを感じながら進んでいくと、やがて大きな岩肌を回り込んだ先に、太平洋を望む「石廊崎」の展望スポットが見えてきます。
その展望スポット目前の最後の崖には、下る階段があるのですが、その階段を降りたところに、「独鈷の湯」や「神池」「ゆるぎ橋」などとともに、「伊豆の七不思議」と言われる「石室神社」(いろうじんじゃ)があります。
「石廊崎権現」に奉納された、千石船の帆柱を土台に、築かれているという石室神社ですが、その神社を抜けた先の、太平洋に突き出た展望スポットにも、縁結びの神様である、「熊野神社」があります。
神社といっても、ほこらのようなもので、存在こそ記憶に残るものの、太平洋の景色ばかりに目が行き、あまり注視する方は少ないようです。
岩に貼りついた感じのこの熊野神社は、波風にさらされ、最も気象条件の悪い場所にあるだけに、ここで誓った縁は、ちょっとやそっとでは切れることが無いような・・・、そんな気にさせる神社となっています。
実際、そんな願いをこめて訪れるカップルも、少なくないようです。
そんな熊野神社が建つこの展望スポットからは、天候によっては、「神子元島」(みこもとしま)や、遠く「大島」「利島」「新島」などの伊豆七島が見渡せます。
水平線を見渡せる、太平洋の雄大な海の眺めから眼下に目をやると、そこには白波が立つ岩礁地帯が広がっており、絶好の釣りポイントとなっています。
こんなところで・・・と思えるような場所で、釣りを楽しむ方の姿が見受けられ、次から次に釣り人たちの姿を追っていると、やがて遊覧船がその沖合いをぐるっと巡り、岩陰へと消えていきます。
 
色鮮やかな遊覧船!
「石廊崎」の岩礁地帯を巡る、色鮮やかなこの遊覧船は、「伊豆クルーズ」の遊覧船である「マリンバード号」で、駐車場のある石廊崎漁港から出ています。
約30分くらいで、「石廊崎」のダイナミックな景観を楽しむことができるのですが、陸上とは違った角度で、「石廊崎」の魅力が楽しめる他、この遊覧船でしか味わうことの出来ない観光ポイントもいくつかあります。
入江と岬が交互に現れる、出入りの激しい海岸線の、変化に富んだ景観が楽しめるのはもちろんのこと、袈裟を被ったお坊さんの姿に似ていることから名付けられた「聖人岩」や、「どんどん穴」が有名な「蓑掛け岩」、野猿が生息している「大根島」など、この遊覧船ならではの景観スポットもいくつかあります。
  
陸から船の動きを目で追い想像する以上に、海上からの眺めはすばらしいものですので、「石廊崎」を訪れたなら、是非一度乗船してみてください。
天候その他で運行が中止となっている場合もありますので、訪れる際には、事前に運航日や時間などをご確認ください。
冬を知らない石廊崎!
どこの岬に行ってもそうですが、自然がつくりだす景色はすばらしく、特に波や雲など動きのある景色は、表情豊かで、ボーっと眺めていても飽きることがありません。
この「石廊崎」も、そんな場所のひとつとなっているのですが、さらにこの「石廊崎」周辺は、岩場ながらも草花が多いため、駐車場からの道すがら、季節によって、「あじさい」や「河津桜」などを楽しむことが出来ます。
房総半島の館山などと同じく、一年中温暖な気候に恵まれているため、1月には、すでに「菜の花」が咲き、2月には桜が咲くという、冬を感じさせない場所となっており、四季折々の自然が織り成す景観が楽しめる場所となっています。
一年を通じて様々な色合いを見せる、南国伊豆のさらに南の端の「石廊崎」、あなたも是非一度足を運んでみてください。
| ■ 石廊崎 〜 星★聖 の ひとこと 〜 |
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「石廊崎」にある2つの神社をお参りしつつ、南国伊豆の景観を、楽しんでみてください! |
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