十国峠とは?
静岡県田方郡函南町から熱海市伊豆山にまたがる、伊豆・駿河・遠江・信濃・甲斐・相模・武蔵・上総・下総・安房の十国、現在の静岡・長野・山梨・神奈川・東京・千葉の都県と、大島・新島・神津島・三宅島・式根島の五島が、見渡せたことからその名がついたとされる峠。
国木田独歩や泉鏡花・田山花袋・斎藤茂吉など、名だたる文人墨客に愛されその作品に登場してきた峠で、高山樗牛は『わがそでの記録』の中で「十国峠に登る遊びはことのほか壮快…」と記し、太宰治は『富嶽百景』で「十国峠から見た富士だけは、高かった。あれは、よかった。」と称え、与謝野晶子は『山のしづく』の中で「十の國 かすめる春に 云ふべくば 駿河の海に のぞめる峠」と詠んだ。
標高約770mの山頂へは、姫の沢公園がある日金山方面より歩いて登れる他、「十国峠ケーブルカー」により簡単に登れ、文字通り360度十国五島の大パノラマが楽しめ、富士山や南アルプス・駿河湾・相模灘はもちろんのこと、快晴時には遠く房総半島まで望める。
山頂には「十国峠展望台」がある他、1783年に熱海の里長が建てた「十国碑」や、日本初の夜間航空灯台の設置を称えた「小堀春樹君偉功記念碑」、十国峠ケーブルカーの開業50周年を記念し建立された「お願い地蔵」などがある。
この他、階段を下り南東へと進むと、ドッグランがある「芝生広場」が広がっており、その先に「源実朝の歌碑」が建つ。
元旦にはケーブルカーが早朝運転され、山頂より初日の出が拝める他、「十国峠レストハウス」も臨時営業される。
十国峠の見所
十国峠レストハウス
十国峠登り口に建つ十国峠レストハウス。食事ができる他、寄木細工や蒲鉾・漬物・お酒などのお土産やショッピングが楽しめ、次から次に観光バスが立ち寄り賑わいを見せる。ここよりケーブルカーにて、山頂の十国峠駅を目指す。
十国峠展望台から望む駿河湾
十国峠ケーブルカーの先に緑豊かな山麓が、そして三島や沼津の市街地が広がっており、その先に駿河湾が開け、遠く御前崎の先端まで望める。実に爽快な眺めだ!
白いベンチ
こんなベンチがあるから、思わず長居してしまうわけで、ある意味罪深きベンチだ。ここに座ってボーっと伊豆の山々や眼下に広がる市街地・駿河湾を眺めているだけで、時が経つのを忘れてしまう。
芝生広場
山頂より階段を下り南東へと進むと、ドッグランのある広大な芝生広場が広がっている。その終わりに源実朝の歌碑が建ち、姫の沢公園へと抜ける。空が近い開放感抜群の芝生広場を歩くだけで、何もかも忘れさせてくれる感じだ。
十国碑
江戸時代の1783年8月に、熱海の里長が建てた石碑。記念碑には、伊豆国の日金山頂からは十国五島が見渡すことができる…と記されており、この峠の眺望の素晴らしさを後世に伝えたいという里長の気持ちが溢れ出ている。
小堀春樹君偉功記念碑
夜間航空の安全を企図し、1932年11月28日の十国峠山頂をはじめ他8箇所に航空灯台を建設し、政府に献納した偉功を称え1939年11月に中腹に建てられた記念碑。灯台の達磨山への移設もあり、1968年3月に山頂へ移された。
360度十国五島の大パノラマを楽しもう!
富士山や駿河湾はもちろん、快晴時には南アルプスや房総半島・スカイツリーまで見えるよ!
歩いて山頂へ行けるよ!
ケーブルカーを利用しなくても、峠の駐車場がある「姫の沢公園」の北口や「熱海日金山霊園」方面より登れるよ!
山頂だけでなく芝生広場へ行こう!
ドッグランや源実朝の歌碑が建つ開放感抜群の芝生広場へ行かなきゃ損だよ!
十国峠 編