| 奥大井湖上駅 評価 |
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「ザ・ベストハウス123」で一躍有名に!
「寸又峡」と並び、奥大井の大自然が満喫できる場所として知られる「接阻峡」(せっそきょう)に、全国的にその名が知られるひとつの有名な駅があります。
目隠しをされ、いきなりその駅のホームに立たされたならば、なぜこの駅が有名なのか、すぐには理解できないほどの小さな小さな無人駅で、観光シーズンの日中でも、列車を待つのは自分ひとりだけ・・・ということがしばしば起こりえるその駅が、トロッコ列車が走ることで知られる「大井川鉄道」の井川線こと「南アルプスあぷとライン」にある、「奥大井湖上駅」です。
この「奥大井湖上駅」は、鉄男をはじめとした鉄道マニアの間では、同線にある私鉄の鉄橋としては日本一の高さを誇る「関の沢鉄橋」とともに、以前から知られる駅だったのですが、大井川鉄道のSLやトロッコ列車の人気の沸騰や、奥大井全体が雑誌や旅番組などマスコミに数多く取り上げられだしたこともあり、徐々にこの駅の名も一般に知られるようになっていきました。
そんな中、この「奥大井湖上駅」を一躍有名にしたのが、2008年4月30日に放送された、「ワン・ツー・スリー」の掛け声で知られるフジテレビの人気番組「ザ・ベストハウス123」で、その番組中の「日本の不思議な駅ベスト3」で、他のユニークな駅を退け、見事第1位を獲得しました。
そこに映し出された絶景のロケーションを誇る「奥大井湖上駅」の映像から、全国の視聴者の注目をにわかに集め、番組終了直後より、「奥大井湖上駅」のある川根本町の役場や観光協会には問い合わせの電話が殺到しました。
わたしもテレビを見ながら第1位の発表に、この見覚えのある光景が映し出されたため、思わず「オォー」と叫んでしまったのですが、今まで 「余部鉄橋」で知られる「余部駅」や、日本一のモグラ駅である「土合駅」など、全国のユニークな駅にはいくつか訪れていましたが、やはり今回の選定理由の不思議さという点や、そのスケール感・美しさから、「奥大井湖上駅」が選ばれたことには納得がいくものがあり、同じ静岡県に住む者として、とても嬉しいことでした。
この駅のどこが素晴らしく、どこに不思議さがあるのか・・・、その答えは、「奥大井湖上駅」を一度訪れてみれば自ずと見つかるはずです。
遠景が絵になる「奥大井湖上駅」
この「奥大井湖上駅」へは、JR東海道線の金谷駅から、SLが走ることで知られる「大井川鉄道」に乗り、1時間超かけて着く千頭駅にて、さらに人気のトロッコ列車に乗り換えて、揺られること約1時間でたどり着きます。
マイカー族の方でも、国道362号線から「井川ダム」に続く県道にて、この「奥大井湖上駅」にアクセスすることができ、少々歩くものの周辺に駐車場が無くもないので、列車に乗らずともこの駅のホームに立つことは可能です。
「奥大井湖上駅」の魅力は、大きく分けて2つあり、その1つが、テレビの映像でも反響を呼んだ、その抜群のロケーションです。
駅そのものの立地が素晴らしく、遠景が絵になる実に魅力的な駅です。
テレビの映像でも話題を呼んだ「奥大井湖上駅」のこの絶景のロケーションは、対岸よりこの「奥大井湖上駅」を見下ろすと、一瞬湖に浮かぶ島に駅がポツンと取り残されているかのように見えます。
どこかおとぎの国に登場する駅のようでもあり、霞のかかった日などは、空から列車が舞い降りてくるのでは・・・などと想像してしまうほど、とても幻想的でカワイイ雰囲気に包まれています。
実際には陸続きで、「長島ダム」の建設により生まれた「接阻湖」(せっそこ)に迫り出した半島状の山の頂にこの駅が存在するのですが、この光景は季節の変化や太陽の位置、湖面の色や水位の変化により様々に表情を変え、いつ訪れても絵になる実にすばらしい眺めとなっています。
駅の両側の湖上約70mには、「レインボーブリッジ」と呼ばれる真っ赤な橋が架けられており、この2本の橋が、またこの「奥大井湖上駅」の遠景を演出してくれています。
役場の方のお話では、「踊る大捜査線」で知られる、あの東京お台場のレインボーブリッジよりも、この「奥大井湖上駅」の両端に架かるレインボーブリッジの方が、先に命名されたとのことですが、知名度こそ上がらなかったものの、その美しさや、本当に虹がかかる橋という意味では負けていないように思えます。
この景色を眺められるだけでも、この「奥大井湖上駅」を訪れる価値はあるのですが、この駅の魅力はそれだけではありません。
冒険心をあおる、メルヘンチックな駅!
「奥大井湖上駅」のもう一つの魅力は、この駅に降り立った時に味わえる冒険心をあおるメルヘンチックな雰囲気です。
子供はもちろん、大人でも童心に返り、思わずワクワクしてしまうような不思議な雰囲気が、この「奥大井湖上駅」にはあります。
駅のホームの裏手には、「レイクコテージ奥大井」と言われるログ風の2階建の休憩施設があり、子供たちが我先に!と駆け上っていきます。
常設のお土産屋や売店などはなく、文字通りのただのがらんとした休憩施設なのですが、そのことがまた何かこの駅の不思議な世界を演出してくれます。
この建物の2階には望遠双眼鏡が設置されていて、ここでも特にここから望むべくものは見当たらないのですが、これがまた何かあるのでは?と逆に想像力を膨らませ、崖面に生息する動物たちを探したり、いろいろと覗きながら考えを膨らます楽しみを与えてくれます。
冷静に考えれば、何もない単なる田舎の駅の施設であり、時間つぶしにしかならないものなのですが、この駅にあると何か秘密が隠されているのでは・・・、どこかに仕掛けがあるのでは・・・と思わせる不思議な魅力があります。
風の妖精たちを怒らせないように!
そんな気持ちを知ってか知らずが、駅のホームには、「風の忘れもの」と記された「Happy2 Bell」という鐘が設置されています。
そこに掲示されている説明書きには、
『ここは風の妖精たちの遊び場所
その場所は森が教えてくれます。
この鐘は妖精の忘れていった
幸せを運ぶ宝物。
この音に触れると不思議に
元気があふれます。
でも鳴らしすぎると妖精が
怒って風を起こすかも?』
と記されています。
一部難解?なとてもメルヘンチックな文章なのですが、この文章を読んでいると、あの休憩所には妖精がいるの? これも妖精たちの悪戯なの? などとまたまた考えてしまい、ますますこの「奥大井湖上駅」の不思議な世界に惹きこまれていきます。
単に「奥大井湖上駅」を訪れた記念に・・・という感じで鐘を鳴らすのとは異なり、この鐘とともにどこからか妖精が現れるのでは・・・などと思わず思ってしまうほど、ある種とりつかれたような感覚さえ覚えます。
まぁそれはそれとして、元気がもらえる鐘ということなので、ここは周囲に注意しながら一度鳴らしてみてください。
ただし、くれぐれも鳴らしすぎにはご注意を! 妖精たちを怒らせて、説明書きにもあるように、風で湖に飛ばされても知りませんよ。
平成生まれの「奥大井湖上駅」
「Happy2 Bell」から駅のホームの両側に目をやると、前述の真っ赤なレインボーブリッジがそれぞれ湖上に伸びており、東側の橋の上には、手を伸ばせば列車に当たるくらいの線路脇に、ハイキングコースとなっている遊歩道が伸びています。
湖を覗きながら湖上を歩くことが出来るとともに、トロッコ列車の乗客に手を振りながら、間近に列車の通過を楽しめたり、この道を進んでいくことにより対岸へと抜けられ、テレビに映し出されたあの「奥大井湖上駅」の遠景を楽しむこともできます。
ここまで読まれた方で、そんなに素晴らしい駅ならば、なんで今までこの「奥大井湖上駅」が注目されなかったんだろう?とお思いの方もいらっしゃるかと思います。
実はこの「奥大井湖上駅」は、ずーっと昔からあった駅という訳ではなく、前述の「長島ダム」の建設により湖底へと沈む路線に代わり、新たに新設されたルート上に設けられた駅で、1990年10月2日にオープンした、平成生まれの新しい駅なのです。
ダム建設については、「長島ダム」のページを参照して頂くこととして、この路線変更に伴いいくつかの新駅が誕生し、この「奥大井湖上駅」も、その中の一つとして、「接阻湖」の湖上に設けられることとなりました。
「南アルプスあぷとライン」に乗っていると、あちこちで旧路線の跡が見受けられますが、この「奥大井湖上駅」でも、対岸にかつての鉄道の跡である橋を見ることができます。
奥大井の旅を何回もされている方の中には、この旧路線にターゲットを絞った旅をされている方もいらっしゃいます。
お話を伺っていると、結構あちこちにトンネルや線路跡が残されていて、水位によっては見えたり見えなかったりするところもあったりして、なかなかそれはそれで楽しい旅になるようです。
実際一部の区間では、旧路線を巡る探検ツアーなども企画されているようですので、興味のある方は、観光協会などに問い合わせてみてください。
わたしのおすすめルートは?
「奥大井湖上駅」へのアクセス方法にはいくつかのルートがあり、どれでも駅と遠景の両方を楽しんでいただければ良い訳ですが、個人的には対岸での遠景を楽しんでから、ワクワクしながらレインボーブリッジを渡って駅に向かうプランの方が、感動が大きいように感じます。

定番のSLとトロッコ列車で、この 「奥大井湖上駅」へ向かう旅も、それはそれで楽しい旅なのですが、朝クルマでこの「奥大井湖上駅」へ行き、この駅を基点に列車の旅を行い、夕方この駅に戻ってくるというコースが、わたしのおすすめです。
ただしクルマで行くと、ついついあちこち全部クルマでまわることを考えてしまい、列車に乗ることや歩くことが面倒になってしまいがちですのでご注意を!
この「奥大井湖上駅」のある「南アルプスあぷとライン」の列車の旅は、乗っているだけで楽しくなる、とても素晴らしい旅で、途中にもユニークな駅や観光施設、そして何より奥大井の大自然が、開放感抜群の車両から満喫できますので、マイカー族と言えども必ず1駅でもいいので、この列車の旅を楽しんで頂きたいと思います。
それと、「奥大井湖上駅」に限らず、奥大井の旅は歩いて楽しむことが基本ですので、こちらもお忘れなく!
必ず2つの楽しみ方を!
話は戻りますが、遠景から楽しむプランだと、前述のとおりその感動が大きいだけでなく、朝と夕方では、湖面に浮かぶ「奥大井湖上駅」の見え方が異なり、陽の当たり方や湖の色の変化、光線の変化による周囲の山々の見え方の違いなど、一日で2度この絶景を楽しむことができます。
このコースを行くには、ハイキングコースにもなっている、県道を折れて林の中へと続く一本道から、歩いて「奥大井湖上駅」へと向かうこととなります。
途中に、かなり急な階段があるのですが、この道を進んでいくと、ちょうどレインボーブリッジを縦に一直線に眺められる線路上の場所に出て、ここから雄大な景色を楽しむことができます。
この場所は、レインボーブリッジの東の端で、1987年10月に完成した長さ61mの「本土トンネル」の入口の上にあたるのですが、湖上に真っ直ぐに伸びる線路と、レインボーブリッジの赤、湖面の緑、青い空が実に美しいコントラストをなす絶景ポイントにもなっています。
トンネルを抜け駅に向かう列車を撮影する方や、ハイキング途中に、立ち止まって雄大な景色を楽しむ方、そして駅から歩いてきた方は、急な階段を前に、ここで一息入れることが多いようです。
階段を下りきると、後はレインボーブリッジ上を真っ直ぐ歩いていけば、「奥大井湖上駅」へとたどり着けます。
「奥大井湖上駅」は前述のとおり無人駅ですので、出入りは自由です・・・というか、どこからが駅という意識もなく、自然にホームに立つことになっているのではないでしょうか。
ちなみに県道側から下ってきたこの階段ですが、かなり急な上に、落ち葉もあり濡れていると結構危険な感じの階段ですので、くれぐれも注意してください。
それと、鉄道派の方で、駅からハイキングに出かける方は、この階段を前に、ここで引き返すことのないように! ここで止めてしまっては、「奥大井湖上駅」の楽しみ方としては片手落ちですので、必ず対岸からの遠景を楽しむために、頑張って上りきってください。
くどいようですが、忘れてならないのは、この「奥大井湖上駅」の素晴らしさは、駅のホームに立ち、周囲の美しさやレインボーブリッジの上を歩くことと、対岸からこの駅の絶景のロケーションを楽しんで、はじめてその素晴らしさが味わえるということです。
ただ列車に揺られ通過したり、ホームだけ降り立ってみても、それでは片手落ちであり、本当の意味でこの「奥大井湖上駅」を満喫したことにはなりません。
また、歩くのが面倒だからと、対岸の県道からの遠景だけを楽しんでみても、同じくその素晴らしさを100%感じることはできません。
ここは時間をかけ、ゆっくりと両方の楽しみ方をして頂きたいところです。
中部の駅百選! 「奥大井湖上駅」
そんな抜群のロケーションを誇る「奥大井湖上駅」ですが、その特徴的な駅のイメージから、2001年には、「中部の駅百選」にその名が刻まれました。
「中部の駅百選」は、10月14日の「鉄道の日」にちなんだイベントとして企画され、当時名古屋大学の副総長であった「奥野信宏」氏を選考委員長とした6人のメンバーにより、1999年より4年間にわたり、毎年25駅づつ選定されていった中部地区を代表する100か所の駅に与えられた称号です。
現在では、いくつかの駅が廃止され、100駅というわけではないのですが、その選定にあたっては、一般公募による募集と、鉄道会社などによる推薦駅が挙げられ、駅舎の歴史的な保存価値や、近代的な駅施設としての利便性、公共施設が備わるなどの多目的性、風情ある駅としての雰囲気、際立った特色性などを考慮しながら選定が行われました。
この「奥大井湖上駅」はというと、第3回の選定における一般公募 8,337票により推薦された722駅の中から見事選出され、2001年9月3日に開催された第3回の選定委員会により正式に「中部の駅百選」の仲間入りを果たしました。
選定にあたっては、この「奥大井湖上駅」の最大の魅力でもあるそのロケーションに注目が集まり、映画の世界に登場するメルヘンチックな駅を彷彿させ、ロマン溢れるイメージがあるとともに、冒険心をあおるその立地条件が決め手となりました。
現在、この「奥大井湖上駅」のホームには、この「中部の駅百選」を記念して建てられた黄色のプレートが掲げられています。
おそらくこの駅を訪れた方誰もが、この選定には納得されているのではないでしょうか。
あなたは、妖精の気配を感じますか?
わたしはこの「奥大井湖上駅」へは、新緑の季節と秋の紅葉シーズンに訪れることが多いのですが、平日でなくても気付くと駅にひとりぼっち・・・ということがよくあります。
それというのも、この「奥大井湖上駅」は、そのロケーションから地元の方のための日常用の駅というよりは、完全に観光用の駅として誕生した背景があり、この駅よりハイキングに旅立つ方が去っていくと、この「奥大井湖上駅」にはひとり取り残される形になってしまうからです。
そんな時、不思議な雰囲気とともに妖精の気配を感じます。
ひょっとして妖精たちが、出てきてくれるのでは・・・などと。
この「奥大井湖上駅」のホームの中央には、ベンチに雨よけの囲いがされ、一本の蛍光灯に時計が無造作に置かれているという、駅舎というよりは掘立小屋という感じの田舎の無人駅らしい、味のある待合所があるのですが、その待合所のベンチの片隅に、観光駅らしい「想い出ノート」が置かれています。
そこにはこの「奥大井湖上駅」を訪れた方が、思い思いにその感想を書いたり、自分がこの地に来た証を残したり、時間つぶしにつれづれと事を記したりと、それぞれの語り口で様々な文字や絵が踊っているのですが、このノートを読んでいると、妖精がでるなんて馬鹿げたことを・・・と思いきや、結構似たことを思っている方がいることに気付きます。
ここでもこの駅の持つ不思議な魅力を改めて感じました。
乗り遅れてしまった時や、「奥大井湖上駅」周辺を散策しつくして、次の列車まで時間が余ってしまった時などには、暇つぶしにこの「想い出ノート」のページをめくってみてください。
風の妖精に会いに行きませんか?
今でこそ絶景のロケーションを誇る駅として知られる「奥大井湖上駅」。
かつては深い深い山間の高台の一角に過ぎず、この「奥大井湖上駅」が誕生した時には、グランドレベルの上昇とともに、グリーンの美しい湖面が煌めくこの光景に、古くから住む地元の方々も、さぞや驚かれたことかと思います。
春夏秋冬どの時期でもそれなりの風情が感じられ、わたしたちを楽しませてくれる「奥大井湖上駅」、一番はやはり秋の紅葉シーズンですが、季節を変え時間帯を変え何度でも訪れてみたくなる場所です。
いつ訪れてみても、その美しさに感動すること間違いなしの場所ですので、初めての方はもちろんのこと、訪れたことがある方も、風の妖精に会いに、「奥大井湖上駅」を訪ねてみてください。
くれぐれも出てこないからと言って、鐘を鳴らし過ぎないように!
| ■ 奥大井湖上駅 〜 星★聖 の ひとこと 〜 |
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「奥大井湖上駅」の素晴らしさは、駅に降り立っての冒険心溢れる散策と、県道側からの絶景のロケーションを楽しんでこそわかるもの。片手落ちではダメですよ! |
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