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駒門風穴 Vol.53 駒門風穴(御殿場市)
「洞窟・岩石」部門
- Gotenba -
駒門風穴 御殿場
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『駒門風穴』をご覧になるにあたって
ビックリ!連発の「駒門風穴」

東名高速の御殿場ICと裾野ICの間にある御殿場市の「駒門PA」近くの、国道246号線JR御殿場線とに挟まれた場所に、大正時代の1922年3月8日に、当時の内務省が国の天然記念物に指定した、学術的に貴重な資料が得られる観光地があります。

駒門風穴入口内務省というところが、実に歴史を感じるところでもあるのですが、その貴重な観光地となっているのが、この『駒門風穴』(こまかどかざあな)です。

よく「ふうけつ」と言われ、長い間わたしも「駒門風穴」を「こまかどふうけつ」と読んでいたのですが、正式には「こまかどかざあな」が正しいようです。

すぐそばには、陸上自衛隊の「駒門駐屯地」があり、無料の駐車場もあって車でのアクセスにも問題がなく・・・と、ここまでは何も特別なことはなく、ごくごく普通の観光地という感じなのですが、訪れてみてビックリ!なのが、この「駒門風穴」です。

何がビックリ!かと言えば、ビックリ!が連発することにさらにビックリ!するのですが、それはおいおいお話しするとして、まずは「駒門風穴」にたどり着く前に始まるビックリ!から・・・。



こんなところに、こんなもんが・・・

富士山で風穴と言うと、テレビや雑誌に度々登場し、毎日大勢の観光客で賑わう、あの富士山の定番の観光地である「富岳風穴」と、そこから「鳴沢氷穴」を連想される方が多いかと思います。

駒門風穴入口青木ヶ原の樹海近くにあり、どちらも夜は近づきたくないような、木々に囲まれうっそうとした森の中にあるのですが、そんな風穴のイメージを抱きながらこの「駒門風穴」を訪れると、探している途中から、町のど真ん中という表現は少々大袈裟ながら、すぐ近くには民家が建ち並んでおり、何気ない町の一角にさりげなくあるという感じで、こんな場所にこんなもんが本当にあるのか?・・・と、「駒門風穴」の存在自体を疑うような半信半疑の気持ちになります。
(注:右のYahoo!地図で、航空写真に切替え、+でアップにすればお分かりかと )

見慣れた家の近くの神社の境内に、突如風穴がある・・・といった感じで、風穴の上に、普通に家が建っているのではと思われるほど、自然な感じで周囲に溶け込んでいます。

そんな中、ようやく「駒門風穴」の看板を見つけた時に、本当にあった!・・・と、まず「駒門風穴」の、その期待を裏切るどころか信じられないロケーションにビックリ!します。

「富岳風穴」のような、特別な場所に特別な雰囲気を漂わせてある感じではなく、標識や看板がなければ、その存在にすら誰も気づかないような感じの場所にあることに、とにかくビックリ!です。

わたし自身、初めてこの「駒門風穴」を訪れた時には、地図を見ながら、あまりにイメージしていた場所と違うので、地図が間違っているのかと思い、一度は通り過ぎてしまいました。

駐車場に車を止めた後も、あたりの民家を見まわしては、頭の中にある「風穴」というイメージにあう場所が見当たらないため、本当にここが「駒門風穴」の駐車場なのか?・・・と、 しばらく駐車場からどちらに行けばよいのかアタフタしたのを覚えています。

知人を案内した時もそうでしたし、実際いろんな方々に伺っても、みなさんこのロケーションには驚かれるようです。

普通は、ロケーションに驚く!と言えば、絶壁に建っているとか、360度の眺望が楽しめるとか、そんな意味で使うのですが、全く逆の意味で使われるこの「駒門風穴」、まずは恐るべし!です。



まだまだ本当にあるのか?「駒門風穴」

そんな「駒門風穴」ですが、車を止め通りを折れしばらく歩くと、藤棚がある受付が見えてきます。

藤棚がある受付この時点でもまだ半信半疑という感じで、さらに入場券を買う際にも、ちょっと奥を覗くと、先が知れているような敷地の狭さに、またまた本当にこんなところにあるのか?・・・と思わされます。

受付を過ぎるとすぐに鳥居があり、その横に「駒門風穴」の全体図があるのですが、この広く長く立派な風穴の全体図を見ながら、どこにこんなものがあるんだ? ここから延々と歩かされるのか? とキツネにつままれたような感じになります。

頭の中が混乱したまま鳥居をくぐり足を進めていくと、案の定敷地の境界がすぐ先に見え、ますます期待ハズレの予感が高まり、テンションも下がりぎみとなるのですが、そんな気持ちの変化とは裏腹に、周囲の様相が一変していくのを感じます。

鳥居住宅街をぷらぷらしていた何気ない日常の感覚から、だてに鳥居をくぐったわけではなく、一気に厳かな雰囲気が増していき、やがて突きあたりを左に折れ下っていくと、そこにいきなり大きな風穴が登場します。

このあまりにも唐突に出現する風穴の登場と、先程の期待ハズレの予感の高まりがここでまた大きく裏切られ、予想外の穴の大きさと、中からヒンヤリとくる冷気というより霊気に近いパワーにビックリ!します。



神が宿る神聖なる場所

富士山周辺の観光地によくある「富士信仰」とは異なるようですが、この「駒門風穴」そのものが「風穴神社」として信仰の対象となっていることもあり、先程の鳥居に続き、風穴の入口には注連縄が張られており、明らかに風穴内が神域であることを示しています。

駒門風穴諸社風穴入口の脇には、駒門風穴諸社として、木花咲耶姫神(こなはなさくやひめのかみ)を祀る「子安神社」、志那津比古神(しなつひこのかみ)・志那津比売命(しなつひめのみこと)を祀る「風神社」、そして大気都比売神(おおげつひめのかみ)を祀る「蚕養神社」(こがいじんじゃ)があります。

安産・五穀豊穣・蚕と、昔の日本人の生活に密着した神様が祀られており、風穴内にも「風神社」があり、さらには立ち入り禁止のため確認はできませんが、説明によると風穴の先端には「奥の院」もあります。

そんな「駒門風穴」の真っ暗な入口に向かって階段を下りていくと、上から上記の三社が監視しているようにさえ感じられ、ほんの少し前までの心持ちとは全く異なり、期待感にプラスして緊張感にも似たワクワク感とドキドキ感が生まれてきます。

そんな自分自身の変わりように、またまたビックリ!です。



学術的に貴重なわけ!

そんな「駒門風穴」は、富士山の大爆発でできた溶岩洞窟として発見されているものの中では、最大級かつ最古の部類に属しています。

駒門風穴の頭上前述の「富岳風穴」や「鳴沢氷穴」など富士山周辺の溶岩洞窟のその多くが、1000年~1500年前の噴火により出来たものであるのに対し、この「駒門風穴」は、約1万年前の大爆発の際の「三島溶岩流」でできた溶岩洞窟であるとされています。

さらには、この「駒門風穴」特有の生物もおり、この点がこの「駒門風穴」が学術的に貴重な理由でもあるのですが、どうしてこのような溶岩洞窟が出来たのか?と言えば、簡単に説明すると、流れ出た溶岩流の外部が、先に冷えて固まってしまうのに対し、まだまだ灼熱状態の内部の溶岩やガスが、圧力により耐えられなくなり外部に押し出されたり噴出してりして、その抜けた部分の空洞が、そのまま固まり溶岩洞窟となるわけです。

詳しく知りたい方は、「富士山」に関する書籍等を読んで頂ければと思いますが、そんな風にして出来た「駒門風穴」は、風穴内部が大きく二手に分かれています。

駒門風穴 全体図

本穴」と呼ばれるメインの穴が、全長約291mで、「枝穴」と言われるもう一方の穴が、分岐点から約110m続いています。

「駒門風穴」の数値については、説明看板や資料によりまちまちで、全長をはじめ天井高も最高10mというものもあれば20mというものもあり、床面積も様々で正確な数字はわかりません。

どうやら建替えられた新しい案内看板の数値が、全長以外怪しい値が並んでおり、それにより混乱しているような気がします。

現段階では確証が持てないため、ここでは割愛させて頂きますが、いずれ「富士山」の世界遺産登録の活動が進められていく中で、ハッキリした数値がでてくるかと思います。



非日常空間を自分なりの楽しみ方で・・・

実際の「駒門風穴」内は、おそらく多くの方が、その知名度やこのロケーションから、事前に想像していたよりは広く感じるかと思います。

内部に入るとヒンヤリとするのですが、この「駒門風穴」の洞内の気温は、四季を通じて13℃と一定で、真夏でもちょっと嬉しいを通り越し、少々寒く感じるほどの気温となっています。

そんな中階段を降り進んでいくと、やがてポタンポタンと、頭上から冷たい雫が落ちてきます。

春雨橋時期にもよるのでしょうが、意外に濡れるなぁ~と感じる方もいるでしょうから、一応そのつもりで入って下さい。

やがて「春雨橋」あたりから、行きと帰りで道が分かれていくのですが、あくまでも順路として便宜上分けたという感じで、反対側の壁が遠のき別の場所に誘われる・・・というような広がりがあるわけではなく、あくまでも前述の一つの「本穴」という同じ空間を進んで行くようになります。

途中に、麓・峰・峠など、山に例えられた名のつく場所を抜けていくと、やがてこの「駒門風穴」の見所が次々と現れてきます。

この「駒門風穴」の代表的な見所は、天井から下がっている「溶岩鍾乳石」と「肋骨状溶岩」です。

頼朝公駒形石どんなものなのかは、現地にて実際に目にして頂ければと思うのですが、次いで「頼朝公駒形石」や「コウモリ座敷」「ヒカリ藻」などいくつか見所があります。

また、出遭う方が良いか、出遭わない方がよいのかは人ぞれぞれですが、穴の奥には、目が退化した「コマカドツチカニムシ」や「コマカドオビヤスデ」「コマカドチビゴミムシ」などの虫類や、「コギクガシラコウモリ」「ユビナガコウモリ」「オオキクガシラコウモリ」「ネズミコウモリ」などのコウモリ類が生息しているようです。

立ち入り禁止区域となっていることもあり、現在ではなかなかお目にかかることは難しいでしょうが、生息はしているようです。

肋骨状溶岩鍾乳洞もそうですが、大概見所とされるところよりも別のところに感動したり、全く違った楽しみ方をしたり・・・と、必ずしも見所だけが本当に見所というわけではないのですが、個人的な感想としては、「肋骨状溶岩」はナルホド・・・という感じで、しばらく明かりをあてたりしながらその不思議な形状を眺めていました。

その他も、それなりに楽しめましたが、精神年齢が低いせいか、子供と一緒でやっぱり一番楽しく感じた瞬間は、上記の見所ではなく、風穴に入る瞬間と出口に向かっていく時でした。

中はどうなっているのだろう?と、暗黒の闇に突入するあのワクワク感と、暗闇の向こうに明りの輪が見えてきて、日常の世界に戻るべくそこに向かって上っていく階段を、気温の上昇を感じつつ一段ずつ上がっていく時が一番楽しく感じました。

以前にいくつも溶岩洞窟を見てしまっていることもありますが、ひとそれぞれ楽しみ方は異なるわけで、地質学に興味のある方は、純粋に溶岩洞窟そのものが楽しめるでしょうし、コウモリに出遭いたいという方は、奥に進むにつれワクワクしてくるでしょうし、どこまで続くのかな?と探検気分を味わうのもよし、夏場にヒンヤリ涼しむのもよし・・・と、とにかく人それぞれ、この非日常空間を自分なりの楽しみ方で満喫して頂ければと思います。



妙に観光化されていない「駒門風穴」

この「駒門風穴」で、個人的に一番楽しめた瞬間は、風穴に入る時と、出口に向かう時と書きましたが、一番感動したのは・・・というと、実はこの「駒門風穴」が、実に自然なカタチで残されているところでした。

駒門風穴の出入口よく鍾乳洞などを訪れると、とかく安全のために歩道が新たに設置され、日常で見慣れた鉄やコンクリートの上を歩かされ、直接五感で洞窟内を感じることがしにくかったり、誘導されるように矢印づくしで順路が決められ、しかもカラフルな照明で演出されたり、スピーカーから説明が流れたりしていて、完全に観光化された感じの場所が多く、まるで遊園地のアトラクション内にいるように感じるところが多々あります。

それに対してこの「駒門風穴」は、そういったものが最小限に止められており、妙に観光化されていないところが最大の魅力に感じました。

これは意図したものではなく、単に維持費の予算的問題からそうなっているのかもしれませんが、理由はどうであれそこが魅力的なことに変わりはありません。

もちろん立ち入り禁止区域はありますし、一部歩道が設置されたりもしていますが、足元は溶岩そのままでビチャビチャ、天井からはポタポタと水が落ちてきて、しかも比較的天井高は高いながら、頭上注意という場所でも自己責任という感じで壁際まで行き観察出来たりと、フルに五感を使っての見学が可能で、その見学の自由度にとても好感がもてました。

誰かが転んだり頭をぶつけたりして大怪我をしたり、心ない人が破壊行為などを行ったりしたら、すぐにでも柵ができ規制が増えそうな気もしますが、このご時世にこの自然な感じは実に嬉しい限りです。

駒門の名水その妙に観光化されていない自然なところが、逆に入場前のギャップに繋がっていたのかもしれませんが、是非とも事故なく現状の見学方法が続くことを願う次第です。

そんな自由な見学を楽しんだら、最後に受付の裏手に知る人ぞ知る「駒門の名水」がありますので、富士山の湧水を是非飲んでみてください。

この「駒門の名水」は、東名高速の「駒門PA」で出される料理や珈琲などにも使われている名水で、パーキングエリアでは、わざわざポリタンクにこの水を汲んでいく方がいるほどです。

是非お帰りの際には、ひとくち口に含んでみてください!
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■所在地 御殿場市駒門69
■問合せ 0550-87-3965
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「駒門の名水」を飲むのを忘れずにね!
温泉マイスター 星★聖
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