| 富士市観光ガイド 『毘沙門天大祭 だるま市』 | ||||||||||
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| 毘沙門天大祭 だるま市(富士市) | ||||||||||
| ★『毘沙門天大祭 だるま市』をご覧になるにあたって | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
「小倉 百人一首」におさめられ、万葉歌人「山部赤人」(やまべのあかひと)が詠んだことで知られる「田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ」の歌に登場する静岡県は富士市にある「田子の浦」。 そんな田子の浦を望む富士市南部の海岸近くにある「妙法寺」(みょうほうじ)で、毎年旧暦の1月7日〜9日にあたる3日間開催されるのが、群馬県の「高崎」、東京の「深大寺」(じんだいじ)と並び、「日本三大だるま市」として知られる『毘沙門天大祭 だるま市』です。 「毘沙門さん」の名で親しまれている「妙法寺」は、北方を守護する「多聞天」こと、インドの「クーベラ神」を源流とする武勇・財宝の神「毘沙門天」を祀るお寺で、インドや中国寺院の様式を採り入れた様々な建築様式の建物が建てられています。 そんなオリエンタルムードが漂う、異色の寺院でもある「妙法寺」の境内に、所狭しと露店が並び、大きな掛け声とともに縁起物の「だるま」が売り買いされているのが、この「毘沙門天大祭 だるま市」です。 昔ながらのお祭りムード一色となるこの「毘沙門天大祭 だるま市」には、毎年全国各地より大勢の来場者が押し寄せ、その数は50万人に及ぶとも言われています。 「妙法寺」最大の恒例行事であるとともに、富士市の一大イベントにもなっているこの「毘沙門天大祭 だるま市」は、生産数や知名度こそ高崎に劣るものの、その規模、来場者数においては全国一と言われ、壮大な「だるま市」が、この「妙法寺」の境内を舞台に繰り広げられます。 この「だるま市」が行われる「妙法寺」の「毘沙門天大祭」は、今ではすっかり「だるま市」の方が有名になってしまいましたが、御本尊である「聖徳太子」の作とされる「毘沙門天」像を、この期間にお参りすると、「一粒万倍の功徳あり」と古くから言い伝えられる、実にご利益の大きいお祭りです。 せっかくの一粒万倍のチャンスですので、この機会を逃すことのないように、くれぐれも御本尊をお参りすることを忘れないよう、ご注意ください。 そんなバカな・・・とお思いの方もいらっしゃるかと思いますが、この「妙法寺」には、境内を巡っていると、これ以外にもお寺とは思えない不思議なものがたくさんあり、ここがお寺であるという認識が薄れてしまっても納得できる感じの場所です。 なかなか文章では伝わらないかと思いますので、「百聞は一見に如かず」、訪れた際にはその一風変わったお寺の姿にも注目していろいろと境内を巡ってみてください。 そんな「妙法寺」の「毘沙門天大祭 だるま市」の露店の店先には、様々な「だるま」が登場しますが、そこで売られる「だるま」は、今でこそ生産数が減ってしまいましたが、かつては隣町である鈴川で生産された「だるま」が主役でした。 この「鈴川だるま」にはいくつかの種類があるのですが、最も一般的な「鈴川だるま」は、「だるま」の特徴でもある髭が控え目でおとなしく、目鼻立ちがやさしく感じられる「だるま」で、高崎をはじめとした縁起物の鶴と亀を模した顔の「だるま」とは一線を画す顔立ちとなっています。 境内にはこの「鈴川だるま」をはじめ、いろんな「だるま」が売られているのですが、遠方よりお越しの方の中には、サイズや値段ばかりに目がいってしまい、開眼してもらう時にはじめて自分が買った「だるま」の顔立ちが違うことに気付く方も多いようです。 一度覚えてしまえば、すぐに判別はつくのですが、「鈴川だるま」といっても前述のとおりいくつか種類があり、中には前者とは正反対の見るからに髭が濃くてたくましく、三国志に登場する「関羽」のような、武勇の神「毘沙門天」のだるま市!という感じのものもあります。 若い人には「イモト」さんの眉!と言った方がわかりやすいかもしれませんが、こちらも「鈴川だるま」であり、これらは「毛付」と言われ、比率的には1〜2割程度となっています。 この「毛付」の「だるま」は、その顔のインパクトから印象に残っている方も多く、これこそが「鈴川だるま」だと思っている方も多いようですが、一般的には前者の「だるま」を指す場合が多いようです。 他にも髭男爵のような「だるま」や、煌びやかな「だるま」など、よくよく一つ一つ眺めてみると、生産地や生産者により、ここまで違うのか・・・というほど、同じ「だるま」でもかなり異なっており、改めてそのことに気付くだけでも、この「毘沙門天大祭 だるま市」に来たかいがあると思わず思ってしまうほど、実に勉強になります。 日頃は、ろくに顔も見ず、ただ「だるま」という言葉ですべてを括ってしまっていることが多く、この「毘沙門天大祭 だるま市」を訪れると、改めて「だるま」の奥深さと、個々の「だるま」のその存在感を肌で感じることができます。 これもたくさんの「だるま」が集まる「毘沙門天大祭 だるま市」ならではのことですので、訪れた際には、一軒一軒その「だるま」の表情を窺いながら露店めぐりをしてみてください。 そんな特徴的な顔立ちを見せる「鈴川だるま」ですが、現在では「鈴川だるま」の生産業者は数軒にまでその姿を減らしてしまいました。 そんな中、「鈴川だるま」の伝統を受け継ぎ、毎年境内に元気に姿を見せてくれているのが、創業80年という「杉山だるま店」です。 鈴川地区で「だるま」づくりが行われだしたのは、一説には江戸時代にまで遡るとも言われていますが、その背景には、現代においても続く富士の「紙の町」としての歴史があります。 この富士市吉原一帯は、今から約200年前の江戸時代に、「駿河半紙」の原料となる三椏(みつまた)の栽培が盛んに行われていました。 この三椏の生産と、富士の恵みである豊富な湧水により、やがてこの地区で製紙業が営まれるようになりました。 この製紙業は、その後も順調に発展を遂げ、現在でも「紙の町」として富士市は生き続けているわけですが、その製紙業の発展とともに、その過程で生まれた紙の端切れなどの有効利用の一環として登場したのが、「だるま」づくりでした。 しかしながら、縁起物として古くから庶民に親しまれてきた「だるま」ですが、現代においては、商売をやっておられる方以外では、なかなか一般には縁のない存在となり、選挙の時以外には、その姿を見る機会もグッと減ってきました。 そんなあおりを受け生産量も落ち込み、経済的な理由や後継者不足から廃業に追い込まれるお店が多くみられ、この流れは今も続いています。 日本人には古くから親しまれ、特に選挙には欠かせない縁起物となっているこの「だるま」ですが、げんかつぎや伝統や信仰心に対する人々の関心の薄れなど、時代の流れには逆らえず、移り変わる時代の中で、この「鈴川だるま」も生き場を失っています。 この「毘沙門天大祭 だるま市」で売られている「だるま」には、高さが72pにもなる「大特大」サイズから、「特大」「大極上」「極上」「番外」と続き、「大一」「一号」「二号」・・・「拾号」など、昔ながらの定番サイズのものや、ミニサイズやミニミニサイズに、さらには赤以外のカラフルな「だるま」まで、お店により本当に様々な「だるま」が並んでいます。 またその並べ方も、店の奥にズラリと横一線にサイズごとに並べられているお店もあれば、ただただ無造作に置かれている店、台にごちゃ混ぜで山積みになっているお店など、これまたいろいろです。 売れ筋はやはり2000円〜4000円といったところのようですが、「だるま」以外にも、綺麗な飾り付けが印象的な「お飾り」や「熊手」なども売られており、目移りしているとあっと言う間に時間が過ぎていきます。 特に「だるま」以上に行きかう人の視線を集めているのがこの「お飾り」で、実に華々しいもので、祭りの雰囲気を盛り上げる意味でも一役かっています。 テーマ性のある見ごたえのあるものもありますので、じっくりと眺めてみてください。 この「毘沙門天大祭 だるま市」では、本堂に向って左手に、特設の「ダルマ開眼受付」が設けられています。 露店で購入した「だるま」に、その場で目を入れてもらうことができるのですが、受付の前には、購入したばかりの「だるま」を両手に抱えながら並ぶ人々の行列ができています。 開眼料は、「だるま」の大きさにより異なり、大きいものでは10,000円もの開眼料がかかるのですが、縁起物だけにここは開運のためにも、毘沙門さんで開眼してもらうことをおすすめします。 また、境内の一角には古くなった「だるま」を納める「古ダルマ納所」が設けられています。 訪れる際には、旧年度の「だるま」や願いが成就した「だるま」など、お世話になった「だるま」を持参することもお忘れなく。 お世話になった「だるま」を一般ゴミとして捨てる方はいらっしゃらないと思いますが、縁起物ですので、こちらも勝手にご自身で償却するのではなく、ちゃんとお納めになることをおすすめします。 それと、話は逸れますが、「だるま」関連でお話すれば、御本尊をお参りすると、自然と目に入るかと思いますが、本堂内に、笑った顔がちょっと不気味な超特大サイズの「だるま」があります。 なかなか珍しい、あまり目にしない顔立ちの「だるま」ですので、こちらもご覧になってみてください。 みなさんは「だるま」というものをどう捉えていらっしゃいますか? わたしの記憶が正しければ、人生において今までに2回ほど「だるま」に必勝祈願をした記憶があります。 一度は自分で目を書き入れた記憶があるのですが、もう一回は未達成で終わった気がします。 それが運動会だったか何の大会だったかは、記憶が定かではないのですが、小学生の頃だったように思えます。 人生において、いつ頃正確に、この「だるま」というものを認識したかは?ですが、禅宗の開祖として知られる「達磨大師」の坐禅姿を模した置物というイメージは未だにありません。 子供の頃の、倒しても倒して置きあがってくるおもちゃとしての印象や、必勝祈願の「だるま」のイメージはあるものの、やはり「達磨大師」の座禅姿としての置物のイメージはありません。 おそらく毎年のように各地で行われる、あの選挙の当選者ですら、必勝祈願の「だるま」に目は書き入れても、それが「達磨大師」の顔であると認識しながら書き入れている方は少ないのではないでしょうか。 習慣として行っているだけで、改めて「達磨大師」の坐禅姿としての「だるま」と向き合う機会というものは、おそらく意識をしなければ一生訪れないようにも思えます。 わたしも長らく「だるま」というものと向き合うことがありませんでしたが、この「毘沙門天大祭 だるま市」で出合った一風変わった「だるま」のおかげで、このように「だるま」というものを改めて捉えることができ、そのおかげで「だるま」本来の姿と向き合うことができました。 だからどうなの?と言われれば、それまでですが、人生において見過ごされてきたことに、この年になって向き合えるということは、なかなか興味深いことでもあり、人それぞれどう感じるかは?ですが、なるほどねぇ〜と共感できるものを感じる方は、この「毘沙門天大祭 だるま市」を訪れた際に、「だるま」というものと一度真剣に向き合ってみてください。 その顔の中から、きっと何か新しい発見があるはずですよ! |
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