宝泰寺とは?
静岡県静岡市のJR静岡駅近くの中心市街地にある、山号を「金剛山」と称する釈迦如来を御本尊とする臨済宗 妙心寺派の寺院。山門の寺号標には「寶泰寺」と刻まれている。
もともと七堂伽藍を備えた真言密教の道場だった寺院を、室町時代の1381年に後醍醐天皇の皇子とされる無文元選が再建したのがその始まり。その後荒廃するも、1557年に中興の祖と言われる雪峰禅曽が再興。
江戸時代にはその美しい境内は "東海一" と称えられ、朝鮮通信使や琉球使節の休憩所にもなった他、臨済寺・清見寺 とともに "駿河三刹" と言われるまでとなった。
禅寺らしい手入れの行き届いた境内には、石彫家の杉村孝による わらべ地蔵 が点在し、中根金作が手がけた中庭の他、"宝泰寺のジャカランダ" として知られる世界3大花木と言われる非常に珍しい ジャカランダ の大木が、高貴で美しい青紫色の花を咲かせる。
宝泰寺の見どころ
静岡市のエアポケット!? 宝泰寺
閉ざされた 山門 を通り過ぎて 薬医門 を潜り境内へと一歩足を踏み入れると、そこにはビルが林立する静岡市の中心市街地にありながらが、"エアポケット" のように外部とは遮断されたかのように静寂に包まれた空間が広がっている。
見渡せば周囲には近代的な建物が否応なしに目に飛び込んでくるのだが、映っているが視界には入ってこないというか、視界にあるが映っていないというか、ただそこにあるだけで不思議とこの空間を全くスポイルすることがない。
境内を巡るその感じは、郊外の禅寺を巡る時と同じように目の前の景色に全集中(禅集中!?)という感じで、狐につままれたような不思議な感覚だ。
JR静岡駅から徒歩3分、静岡鉄道の新静岡駅との丁度間の中心市街地のど真ん中に、時代に取り残されたかのような空間が存在し、忙しく行き交う人々からは忘れ去られたような空間があることが、俄かには信じがたい感じだ。
大型トラックが行き交う国道1号から通り一本入っただけの、わずか100mにも満たない距離であり、まさに "エアポケット" という感じだ。
これぞ禅寺!宝泰寺
そうして足を進めていると、この "エアポケット" 感は山口県の 湯田温泉 にある古稀庵を訪れた時と同じだな…などと、思わぬ再会に一人にやけてしまった。
かつて東海一美しいと称えられたその境内は、今も変わらず手入れが行き届いており、実に禅寺らしい姿を見せてくれる。
2019年に本堂がコンクリート造から、往時の伽藍を彷彿させる木造建築となり、それに合わせて御本尊も文殊菩薩と普賢菩薩の両脇侍を配した釈迦三尊となり、これからさらに古刹としての趣が増して行くことだろう。
駿河三刹とは?
宝泰寺は 釈迦如来 を御本尊とする臨済宗 妙心寺派の寺院で、竹千代時代の徳川家康が人質として預けられていた今川家ゆかりの 臨済寺、三保の松原 を望む風光明媚なお寺だった興津の 清見寺 とともに、駿河三刹 に数えられる駿河国の古刹だ。
現在においてもこの 駿河三刹 は、どこも見所が多い素晴らしいお寺となっているので、静岡市観光をお考えの方は、是非とも訪れてみてほしい。
昭和の小堀遠州!中根金作が手がけた庭
そんな宝泰寺には、あの世界的に有名な足立美術館の枯山水の日本庭園や城南宮の楽水苑、ボストン美術館の天心園などを作庭した 中根金作 が手がけた庭がある。
中根金作は "昭和の小堀遠州" と称えられる静岡県磐田市出身の造園家なのだが、こんな身近に数々の魔法をかけてきた庭師の作品があるとは…と、驚いた。
庭好きなら、小川治兵衛・重森三玲などとともに泣いて喜ぶ凄い人物だ。
世界3大花木のジャカランダ!
例年5月下旬~6月中旬にかけて、高貴で美しい青紫色の花を咲かせる、宝泰寺の境内に咲く ジャカランダ。実に樹齢50年近い樹高15mの大木で、県内はもとより全国的にもこれだけのジャカランダの大木は珍しい。
詳しくは 宝泰寺のジャカランダ を読んで頂ければ…と思うのだが、とにかく私はこの花が大好きだ!
わらべ地蔵にほっこり!
花と緑が美しい手入れの行き届いた宝泰寺の境内は、いつ訪れても癒しの空間そのものであり、「わらべの庭」では約40体の わらべ地蔵 たちがそっと微笑みかけてくる。
いやいや微笑んでいるのは自分の方で、笑顔にさせてくれているのが、京都大原三千院の有清園のわらべ地蔵や、おかべ巨石の森公園 のわらべ地蔵、滝ノ谷不動峡の磨崖仏などを手掛けた、静岡県藤枝市出身の石彫家 杉村孝 による、宝泰寺で人気のわらべ地蔵たちだ。
美しい境内には、無条件にほっこりできるわらべ地蔵たちが点在しており、小さな子供からお年寄りまで世代を問わず訪れる者を楽しませてくれる。
しゃがみこんで目線を低くして一体一体注意深くその表情を伺うと、この子は何を祈っているのかな? こやつは何を考えているのかな?…と想像は尽きない。
睨めっこをする子、天に祈りを捧げる子、念仏を唱える子、居眠りをする子、じゃんけんをしている子、お掃除をしている子、おきあがりこぼしというかロシアのマトリョーシカのような子、ヨーダのように天を指差す子、ウルトラセブンのような目をした子、おまけにNHKのどーもくんのような石像まであり、これだけで小一時間は楽しめそうだ。
是非「わらべの庭」では時を忘れて、わらべ地蔵たちと戯れながら楽しいひと時を過ごしてみてほしい!
東海一美しいと称えられた "駿河三刹" の1つだよ!
今川家ゆかりの 臨済寺、興津の 清見寺 とともに、駿河三刹 に数えられる臨済宗 妙心寺派の古刹だよ!
世界3大花木の "ジャカランダ" で知られるお寺だよ!
宝泰寺のジャカランダ として知られ、毎年5月下旬~6月中旬になると高貴で美しい青紫色の花を咲かせるよ!
どこかほっこりする "わらべ地蔵" に注目!
禅寺らしい境内のわらべの庭には、杉村孝による約40体のユニークなわらべ地蔵が見られるよ!
宝泰寺の見どころ
宝泰寺のおすすめ時期
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月ジャカランダ | 6月ジャカランダ | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
宝泰寺の基本情報
名称 | 宝泰寺 |
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読み方 | ほうたいじ |
英訳 | Houtai-ji Temple |
山号 | 金剛山 |
宗派 | 臨済宗 妙心寺派 |
郵便番号 | 〒420-0858 |
所在地 | 静岡市葵区伝馬町12-2 |
駐車場 | なし(近くの駐車場を探す) |
お問合せ | 054-251-1312 |
公式HP | 宝泰寺 |
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アクセス | ①JR東海道線「静岡駅」徒歩3分 ②静岡鉄道「新静岡駅」徒歩4分 |