南松野駐車場とは?
静岡県富士市の自然豊かな旧富士川町エリアの山間の林道に設けられた展望休憩施設で、"東海自然歩道" のコースにもなっているビューポイント。
東海自然歩道とは、緑豊かな自然と貴重な歴史文化財を訪ねながら四季を通じてハイキングが楽しめるように、1974年7月に開通した東京~大阪まで総延長1748kmの長距離自然歩道で、そのバイパスコースの1つである「b02.野田山コース」の中間地点に位置している。
10台ほどの駐車スペースと東屋があり、木々の伐採状況にもよるが、正面に 富士山 を仰ぎ見る絶好のロケーションを誇る。

南松野駐車場 の 広告

南松野駐車場 の 見どころ
東海自然歩道の休憩スポット!
"東海自然歩道" は、東京の八王子市にある「明治の森高尾国定公園」~ 大阪の箕面市にある「明治の森箕面国定公園」まで、11都府県60市町村 総延長1748kmに及ぶ長距離自然歩道で、2000年頃から人気となっている所謂 "ロングトレイル" だ。
緑豊かな自然と貴重な歴史文化財を訪ねながら、心身の健康と安らぎを得ることを目的とし、国民共通の遺産であり誇りでもある "美しい日本の自然" を誰もが心ゆくまで探勝できるよう、コース選定にあたってはハイカー向けに様々な配慮がなされている。
すべての始まりは、一人の男のロングトレイルに対する熱い思いからだった。昭和時代の1969年1月に、当時の厚生省大臣官房国立公園部計画課長だった大井道夫が、前年5月のアメリカの「アパラチアン・トレイル」の現地視察を踏まえ、かねてから思い描いていた "東海自然歩道" 構想を提案し、これを基に1970年より整備が始まった。
1971年に環境庁が発足したことに伴い、所管こそスライドする形で環境庁自然環境局へと移管されたが、各自治体の協力のもと引き続き整備は進められ、1974年7月に全線が開通した。
その後、平成時代の2001年の中央省庁再編により環境庁が環境省へと昇格したため、現在は 環境省 自然環境局 国立公園課 国立公園利用推進室 の所管となっている。また1989年には、沿線の50以上の関係団体による 東海自然歩道連絡協会 も設立されている。
こうして半世紀が過ぎ、当初の高度経済成長期の急激な都市化やモータリゼーションに対する "人間性の回復" や "歩くことの復権" については、ほぼその目的を達成したと言える。
全線開通から50年の歳月が流れた2024年7月13日には、日比谷コンベンションホールにて「東海自然歩道50周年記念式典」が開催され、東京から大阪までの管理団体の横の連携を強化し、よりハイカーが "一本の道" として歩きやすいようにストーリー化して行くとともに、地域の人々との交流を通じて地域の活性化を図って行くべく "東海自然歩道リバイバルプラン" が発表された。
2010年頃から日本でもロングトレイルブームが起きており、山ガールをはじめ歩くことで自然と一体化しながら癒しを求める世代も増えており、案内標識やコース施設の老朽化なども指摘されていただけに、今後どのように "東海自然歩道" が変化し再構築されて行くのかが楽しみだ。
静岡県独自のバイパスコース!?
そんな "東海自然歩道" だが、実は静岡県では本コースよりも駿河湾よりを通る "バイパスコース" を設定しており、県内の本コースとバイパスコースを併せた総延長は318kmとなっている。
本コースは、富士宮市の根原~浜松市の引佐町の鳶ノ巣山付近までの総延長176.3kmで、主に緑に覆われた山間部を通過する。一方バイパスコースは、富士宮市の猪之頭~藤枝市蔵田で本コースと合流する総延長141.7kmで、比較的歩きやすく交通アクセスも考慮された海よりのコースとなっている。
ここまで長々 "東海自然歩道" について説明してきたが、では 南松野駐車場 は?と言うと、バイパスコースの1つである「b02.野田山コース」の中間地点に位置する、10台ほどの駐車スペースと東屋からなる展望休憩スポットとなっている。ビューポイントという言い方もあるだろう。
「b02.野田山コース」は、①JR富士川駅 ~ 一里塚 ~ 富士川楽座 ~ 風の宮公園 ~ 南松野駐車場 ~ 野田山健康緑地公園 ~ 御殿山(狼煙場)~ JR新蒲原駅 へ至る約20kmの山間コースで、爽やかな風を受けながら山道を行くと、所々で視界が開け富士山や甲斐の山々、駿河湾越しの伊豆半島などが望める。ハイキングの目安となる所要時間は、往路:約6時間15分、復路:約6時間20分となっている。
これが環境省のHPにも記載されている「b02.野田山コース」なのだが、ここで思い出してほしいのだが、東海自然歩道は東京~大阪へと向かうコースなのでブツ切れのコースではない。前コースを受けて、ここではJR芝川駅からJR富士川駅まで電車で移動し、完歩したらJR新蒲原駅からまた次のJR由比駅まで電車での移動が想定されている。
だが静岡県ではJR芝川駅からそのまま歩く連絡路として、もともとあった "東海自然遊歩道 富士川コース"(※注意:東海自然歩道ではない)を取り込んで、
①JR富士川駅 ~ 富士川楽座 ~ 南松野駐車場 ~ 御殿山 ~ JR新蒲原駅
②JR芝川駅 ~ はたご池 ~ 大代峠 ~ 南松野駐車場 ~ 御殿山 ~ JR新蒲原駅
③JR芝川駅 ~ はたご池 ~ 大代峠 ~ 南松野駐車場 ~ 富士川楽座 ~ JR富士川駅
の3つのルートを提案し、富士川コースとか静岡市蒲原コースとか芝川コースとか "東海自然歩道" にはないコース名を案内板に掲載して混乱を招いた。現在は多くの案内板が置き換えられそのようなコース名は消されているのだが、静岡県としてはあくまでも3つすべを「b02.野田山コース」としたいようだ。
ちなみにどれが良いかは一概に言えないが、はたご池 は富士山を眺めながらのランチがおすすめで、富士川楽座 は道の駅ですぐ横に 大観覧車フジスカイビュー があり、御殿山 は桜の名所でお花見シーズンは格別だ!…ということだけ付け加えておこう。
額縁効果で、まるで『富嶽三十六景』
ともあれこうして 南松野駐車場 までたどり着くと、そのロケーションの良さに驚く。南松野駐車場の東屋から眺める額縁効果で切り取られた富士山は、現代版『富嶽三十六景』とも言うべき見事なまでの構図で、ちょうど16:9のワイドスクリーンに映し出された映像のようにも感じた。
いつまでも眺めていられる美しさであり、心身がリフレッシュされるとともに、苦労してここまでやってきて良かったな…と思える瞬間でもあった。
だが大自然は生き物なので、木が生い茂って眺望がイマイチの時や絶望的な時もある。また天候によっては、何も見えないこともある。特に周囲の木々の伐採は不定期なので運試しの要素もあり、苦労して登ってきたのに…と少し残酷な瞬間もあるが、日頃の行いが良い人は富士山の絶景にありつけるだろう。
★★★星3つは上の写真のように富士山の絶景にありつけた時の評価であり、ベースとしてのロケーションがどんなに良くても、東屋を取り巻く環境によっては★星1つとなる時もあるので、訪れる際は木々の手入れが行われていることを祈りつつ、過度な期待はせずに訪れよう。
期待し過ぎてがっかりすると、アクセスが大変な分どっと疲れが出るので、心が折れないように注意したい。どのコースを行くにせよ、南松野駐車場はまだまだ中間地点なので…。
一方、車でのアクセスはと言うと、舗装はされているが道路は狭く悪路で、場所によっては対向車とすれ違う際に一苦労となるので、運転に自信のない方は注意しよう。事前にGoogleマップなどで道路状況を確認しておくことをおすすめする。
尚、夜景スポットとしては、暗闇にうっすらと浮かび上がる富士山と富士宮市街地の夜景が望めることは望めるが、見える…という程度で、さらに木々が完全に伐採されていることが必須条件なので、期待しない方がよい。
それよりも岩淵の「富士山展望台」や東名高速道路の「富士川SA(下り)」、ゆるキャン△でブレイクした「野田山健康緑地公園」の方が遥かに美しいので、富士川で夜景が見たい方にはそちらをおすすめする。

"東海自然歩道"のバイパスルートにあるよ!
50年の歴史を刻む、東京~大阪まで総延長1748kmに及ぶロングトレイルの休憩スポットだよ!

b02.野田山コースの中間点だよ!
富士川駅~新蒲原駅に至る野田山コースの中間点で、芝川駅からの連絡路とはここで合流するよ!

運転に自信のない方は注意!
悪路で狭く対向車とのすれ違いにも一苦労するので、車でのアクセスは自信のある方だけに!
南松野駐車場 の 魅力


南松野駐車場 周辺の 温泉地‼





南松野駐車場 の おすすめ時期
1月 | 2月 | 3月 | 4月新緑 | 5月新緑 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月紅葉 | 12月 |
南松野駐車場 の 基本情報
名称 | 南松野駐車場 |
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読み方 | みなみまつのちゅうしゃじょう |
英訳 | Minami-Matsuno Parking |
郵便番号 | 〒421-3303 |
所在地 | 富士市南松野 |
駐車場 | あり |
お問合せ | 0545-81-5556(富士市観光案内所) |
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アクセス | 現在地 からの ルート と 所要時間‼ |
登録・指定 | |
選定・表彰 | 東海自然歩道 など |