有東木の盆踊とは?
静岡県静岡市の山間部の、わさび栽培発祥の地として知られる有東木の東雲寺境内にて、毎年8月14日・15日に行われる盆踊りで、1999年12月21日に国の重要無形民俗文化財に指定、2022年11月30日にはユネスコ無形文化遺産に登録された伝統ある民俗芸能。
以前は3日間で連日花火も上がっていたが、現在は後継者や保安距離の問題などもあり2日間の踊りだけで、有東木芸能保存会を中心に、3つの地区が持ち回りの当番制にて守り続けている。
御先祖様を迎えた後、締めの「長刀踊り」まで二晩踊り明かし、最後に行列を成して村外れまで行き送り出すという昔ながらの盆踊りの形態をとりつつ、「男踊り」と「女踊り」に分かれている点や、踊りの輪の中心に華麗な名古屋城の5層の天守をモチーフにした「飾り灯籠(ハリガサ)」が登場するなどの特徴が見られる。
また太鼓に合わせて打ち鳴らす「ササラ」や「コキリコ」の音や、恋歌や豊作祈願などの「詞章」を歌うのも特徴。
この他、伝承されている民俗芸能の合間には、水前寺清子の『1+1の音頭』や、島倉千代子の『沖縄音頭』などの「音頭」と呼ばれる盆踊りタイムがあり、飛び入り参加OKで若い子や子供たちも多く参加して盛り上がりを見せる他、音頭前にはお寺の空気が一変する、現代的なEDM系のダンスミュージックが流れ、浴衣や法被姿のままダンスで盛り上がる。
有東木の盆踊の見所
男踊り
10演目が伝承されている男踊り。ゆっくりとしたテンポの太鼓に合わせて、どことなく寂し気な旋律の歌を皆で歌いながら、輪になって扇子を振り踊る演目が多いが、飾り灯籠の中踊りがあるものもある。
女踊り
女踊りでも、華麗な飾り灯籠が登場する中踊りや、模造紙に書かれた詞章を広げ歌いながら踊る13~15の演目が披露されるが、男踊りの据え置き太鼓に対して、側踊りの中での手持ち太鼓となるのが特徴。
音頭
国の重要無形民俗文化財となっている男踊りや女踊りの合間には、皆が音頭と呼び楽しみにしている現代版の盆踊りタイムや、お寺の空気が一変するハイテンポなEDM系のダンスタイムまである。
おわら風の盆
その年にもよるがゲストが招かれる年もあり、富山八尾の『おわら風の盆』の踊りが見られたり、三味線の名手の生演奏が聴けたりする年もある。それにしても田舎の小さな盆踊りがユネスコ無形文化遺産にまでなるとは…。
国の重要無形民俗文化財にして、ユネスコ無形文化遺産だよ!
「藤守の田遊び」や「蛭ヶ谷の田遊び」「徳山の盆踊」などとともに、静岡県内では数少ない国の重要無形民俗文化財だったが、それが2022年11月にユネスコ無形文化遺産に!
男踊りと女踊りがあるよ!
元々100程の演目があったが、現在は男踊りが10演目、女踊りが13~15演目となっている。太鼓の違いにも注目!
ハリガサと呼ばれる飾り灯籠に注目!
名古屋城の5層の天守がモチーフの、くるくると回りながら華麗に舞う灯籠が登場するよ!
有東木の盆踊 編