富士川とは?
静岡市清水区蒲原と富士市との境において駿河湾に注ぐ、山形県の最上川と熊本県の球磨川とともに "日本三大急流" として知られる、幹川流路延長128km 流域面積3990k㎡の一級河川。水源は、山梨県北杜市白州町と長野県諏訪郡富士見町の境にある標高2685mの鋸岳。
古くは1180年の "富士川の戦い" の古戦場として知られ、日本を東西に分ける50Hzと60Hzの交流電源の周波数の境にもなっている川。
一般的には、山梨県の釜無川と笛吹川の合流点より下流を "富士川" と呼ぶ。

富士川 の 広告

富士川 の 見どころ
日本三大急流!
静岡県の川というイメージが強い富士川は、幹川流路延長128km 流域面積3990k㎡の一級河川だ。山梨県の釜無川と笛吹川の合流点より下流が一般的には富士川と呼ばれるが、山梨県北杜市白州町と長野県諏訪郡富士見町の境にある標高2685mの 鋸岳 を水源としており、途中多くの支流と合流しながら静岡市の蒲原と富士市の境において駿河湾へと注いでいるため、富士川水系としては長野県・山梨県・静岡県に跨る川となっている。
そんな富士川は、教科書にも登場するのでご存知の方も多いと思うが、平均河床勾配が1/240の急流河川で、山形の最上川、熊本の球磨川とともに "日本三大急流" と言われる。
駿河湾へと注ぐ下流部の静岡県内だけでも約1/170の勾配があり、一般的な河川の下流部の河床勾配が1/1000~1/5000とされているので、いかに急流河川なのかがよくわかる。そんなことから県内でもスリリングでエキサイティングな ラフティング が満喫できる場所として人気だ。
上の写真は、葛飾北斎の冨嶽三十六景『甲州石班澤』の一枚だ。冨嶽三十六景というと高く激しく渦巻く巨大な波が印象的な『神奈川沖浪裏』を思い浮かべる方が多いと思うが、この『甲州石班澤』にも激しく渦巻く波が描かれている。
だが『神奈川沖浪裏』が大海原を描いたのに対して、この『甲州石班澤』は富士川の 富士川舟運 の拠点となっていた鰍沢の景色だ。富士川舟運については、「角倉了以翁紀功碑」のページで詳しく説明しているのでそちらを読んでいただくとして、急流だった富士川の様子をよく表しており、"日本三大急流" という活字よりもよっぽどわかりやすいと思う。
ちなみに日本一の急流は?というと、実は富山県の常願寺川で、日本三大急流の富士川でも最上川でも球磨川でもない。また1180年に源頼朝・武田信義が、都からの平維盛 率いる追討軍と戦い勝利した "富士川の戦い" の古戦場も、現在とは川の流れが異なっていたこともあり史跡などから5~6km東の吉原周辺の市街地だったとされている。
実は日本一!富士川の河口幅
日本一川幅が広いのは?と聞かれ荒川と答えられる人はいても、日本一河口幅が広い川を知る人は少ない。あまり知られていないが、富士川の河口幅は1950mあり、日本一の河口幅を誇る。
富士川については、教科書にも載っていることからあまりにも日本三大急流のイメージが強すぎて、河口幅が日本一だということは静岡県人でも知らない人が多い。
そういう私も知らなかった一人なのだが、富士川の河口をGoogleマップで空から眺めれば一目瞭然で、きれいな二等辺三角形を形成しながら駿河湾に向けて大きく口を広げている。東海道新幹線で富士川を通過する際にも河口の広さは感じられるので、是非その広さを確認してほしい。
ちなみに2位は徳島県の那賀川、3位は三重県の揖斐川とされている。
そんな富士川だが、河口幅が広いということは平常時の河川敷の広さもピカイチなわけで、公園やスポーツ広場があるのは当たり前で、"滑空場" も石狩川や鬼怒川・木曽川などにあり県内でも天竜川にあったりするのでそれほど珍しくもないが、"桜えびの天日干し場" があるのは富士川だけだ。
桜えびが駿河湾にしか生息していないので、それは反則でしょう…と言われればそれまでだが、この天日干し場のスケールがハンパないわけで、春漁では3月中旬~6月初旬にかけて、秋漁では10月下旬~12月下旬にかけて、ここで桜えびの天日干しが行われる。
一面ピンクの絨毯が広がるこの時期の光景は、富士川の季節の風物詩となっていて、2005年に『人と自然が織りなす日本の風景百選』に選ばれている。
ただし前日に桜えび漁が無ければ干すものが無く、漁師の朝は早く午後になると早々に撤収となり日曜・祝日もお休み、また晴天で無ければ意味が無いので荒天時も行われないわけで、なかなかタイミングが難しい。
国道1号の新富士川橋を渡っていて目に入ってきたならば、是非立ち寄ってみてほしい!
電力戦争!日本を分断する川!?
旧富士川町となる富士川エリアは、平成の大合併により中部エリアにありながら川を隔てた東部エリアの富士市と合併したことにより、どこか飛び地のような感覚の町となった。
その際たるものが供給電力の違いで、富士川を境に50Hzと60Hzと交流電源の周波数が異なり、東京電力と中部電力と電力会社も異なるため、同じ市内でありながら電力環境が異なる珍しい地区となった。上の写真で言うと、奥の富士山側が50Hzで東電、川の手前が60Hzで中電となるが、どちらも同じ富士市だ。
富士川を境に市内を分断するこの交流電源の周波数問題は、今ではヘルツフリー家電が主流となりなかなか若い人にはピンとこないだろうが、それでも単機能の電子レンジなどは今でもヘルツ専用なものが多いので、同じ富士市でも注意して買わないと、駅前の電気店で買った電子レンジが家で使えない…なんてことが起きる。
かれこれ30年前の話だが私も静岡に移住した際に、目覚まし時計が早く鳴ったり、電子レンジを買い替えたりと困ったことがあったのでよく記憶しているが、特に60Hzの電化製品を50Hzで使用すると故障したり最悪火災の原因になったりするので注意が必要だ。
個性的な "橋" の数々に注目!
日本三大急流で日本一の河口幅を誇る富士川は、当然のことながら土木工事においては厄介な川だった。台風によりJR東海道本線の富士川橋梁が流されたことを記憶している方もいるだろうが、こと橋梁工事においては洪水時の最大流量や川幅とともに川底の岩盤層が重要な要素で、昔は場所選定で苦労したようだ。河口から順番に富士川に架かる橋を富士市内だけあげると、
①国道1号「新富士川橋」(橋長1553m)
②東海道新幹線「富士川橋梁」(全長1373m)
③10連アーチ橋の「富士川水管橋」
④東海道本線「富士川橋梁」(全長上り574.9m 下り571.2m)
⑤県道396号「富士川橋」(橋長399m)
⑥東名高速道路「富士川橋」(橋長780m)
⑦県道396号「富士川かりがね橋」(橋長742m)
⑧新東名高速道路「新富士川橋」(橋長上り365m 下り381m)
⑨県道76号「蓬来橋」(橋長185.4m)
⑩県道10号「富原橋」(橋長200m)
となる。
①国道1号の新富士川橋~⑤県道396号の富士川橋までは堤防上の道を、それ以降は県道10号を走ればすべての橋が見られるので、興味のある人は一度クルマを走らせてみてほしい。
個人的には2004年に土木学会田中賞を受賞した新東名高速道路の新富士川橋でもレトロな県道396号の富士川橋でも2024年3月9日に開通した富士川かりがね橋でもなく、朝日に浮かび上がる富士川水管橋の眺めが一番好きだ。

日本三大急流の1つだよ!!
富士川は、山形の最上川、熊本の球磨川とともに日本三大急流に数えられるよ!

実は河口幅は日本一!
空から眺めれば一目瞭然! 富士川の河口幅は1950mで日本一だよ!

ここで供給電力が切り替わるよ!
富士市は富士川を境に、同じ市内でヘルツも違えば中部電力と東京電力で供給会社も異なるよ!
富士川 の 魅力


富士川 周辺の 温泉地‼





富士川 の おすすめ時期
1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
富士川 の 基本情報
名称 | 富士川 |
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読み方 | ふじかわ |
英訳 | Fuji River |
所在地 | 長野県~山梨県~静岡県富士市 |
駐車場 | あり |
お問合せ | 0545-81-5556(富士市観光案内所) |
するナビ | 富士川の観光スポット |
アクセス | 現在地 からの ルート と 所要時間‼ |
登録・指定 | 一級河川 |
選定・表彰 | 日本三大急流 人と自然が織りなす日本の風景百選 など |